今回は、桃の花言葉の意味と、桃の花に因んだエピソードをお伝えします。
どうも、じゅんぺいです。
花言葉はどの様に決まるのか、ご存知でしょうか。
神話?歴史?色や形?色々な説がありますが、源流を辿れば全てそこにあるのは人の想いだと思います。
今回のエピソードは、そんな花に助けられた人のエピソードになります。
今回の話はご病気で車イスになってしまった、ある女性の話です。
打ちひしがれた彼女、でも、そこで贈られた桃の花が彼女の生きる希望となりました。
一体、どんな話なのでしょうか、お伝えします。
私は卒業式に袴を着たかった・・・。
今から数十年前の話です。
その時、私は専門学校の学生でした。毎日がとても楽しくて、クラスメイトも先生も本当に大好きでした。
みんなこの一度しかない、きらめく学生時代を楽しんでいました。
年末年始も終わり、まもなく卒業の頃、私には学生生活の最後の憧れがありました。
卒業式に袴を着たい。
多くの女の子が抱く夢の一つです。
特に私達の時代は漫画『ハイカラさんが通る』の大正ロマンは女学生の憧れでした。
・袴姿の卒業式と
・その背景には桃の花。
でも、そんな私の夢を見事に打ちだく出来事が起こります。私を絶望の淵に追いやったのです。
それは、2月のある日のことです。
その日は寒さのピークだったけれども、もうまもなく訪れる卒業式、春を楽しみ思っていた頃。
これから着る袴も決まって、どんな風になるかな〜、と期待に胸を躍らせていた時のことです。
家族団欒の夕飯を食べ終わり、椅子から立ち上がった時、
「あれ?膝が踏ん張れない、うまく立ち上がれない・・・?」
フラフラとよろけた後、沢山吐き戻してしまいました。
頭が痛くて痛くて、割れる様に痛い!
私はそのまま救急車で運ばれました。
病名は脳出血でした。
脳出血とは、脳内の血管が破れて出血する病気で、
・意識障害
・運動麻痺
・感覚障害
などの症状が現れる恐ろしい病気です。
12時間もの手術の末に、死は免れましたが、その後3ヶ月の入院生活と、車イス生活を余儀なくされました。
「もう、卒業式で袴姿にはなれないんだろうか・・・。」
何より私は、幼い頃からずっと卒業式には袴姿で、と決めていたので、それがひどく悔しかったのです。
脳の手術の事もあり、手術後はひたすら無味乾燥の天井を眺めて、その真っ白な天井と蛍光灯を見ながら、自分の人生の薄さと重ね合わせていました。
そんな中、クラスメイトのキョウコが桃の花を持ってお見舞いに来てくれました。
キョウコは学校で右隣に座っていた子。私の状況を聞きつけ、手術後のタイミングをみて、そして3月の節句という事で、桃の花を持って病院まで訪ねに来てくれたのです。
普通お見舞いにと言えば、切花が多いでしょう。
桃の花は枝の花だった為、それがまた新鮮であり、すっごく可愛くて・・・。
本来なら卒業式にみんなで騒いで華やかな最後の学生生活だったはず。でも私は病室のベッドにひとり・・・。
そんな一つの夢が破れ、天井しか見ることのできない私に、桃の花はパアッと視界に入ってきて、本当に嬉しかったんです。
ピンクの花が本当に可愛くて、そして優しくて、とても慰められました。
この出来事が私に強烈に、そして鮮明に脳裏に焼き付いています。
未練タラタラで、生きる希望も見失った私が、キョウコが持ってきてくれた桃の花のお陰で力が湧いてきました。
目を閉じるとイマジネーションが膨らんで、みんなの顔が思い浮かびます。
目を開けるとそこは病室ですが、そこに桃の花が視界に入ってきます。
自分が今、想像しているクラスメイトや先生方が実際に見えている桃の花と重なり合い、私の気持ちが解けて柔らかくなる。優しくなる。うれしくなる。
心が温かくなります。
・ここから早く出て外に出る!
・病室を出るぞ!
・みんなと一緒にまた同じ様に生活するぞ。
・リハビリ頑張る!
どんどん、どんどん、希望も与えられて桃の花からいろんなものを受け取り、それが希望に、勇気に変わり繋がっていく・・・。
・柔らかい
・可愛い
・勇気
・希望
世の中で言う、本当の花言葉は知らないけれど、これが私にとっての花言葉です。
当時の出来事、そして桃の花は、何十年か経った今でも脳裏に焼き付いています。
当時、写真を撮ることはできなかったけれど、夫にその事を話したら、私の記憶を元に、当時の桃の花を描いてくれました。
夫は当時の私を知りませんが、その可愛らしさ、雰囲気を完全に再現してくれました。
私の記憶の中に映像として残っているキョウコがくれた花。
あなたにとって最も印象深く、大好きな花は何ですか?
と聞かれたら、一番に出てくるのはやはり桃の花でしょう。
それから、私は左半身が麻痺してしまい、車イス生活になりました。
世話ができないので、私は花を買うことができません。
でも、外に電動車椅子で出かけて、道や公園で咲いている花や、近所の花屋さんで飾られている花を見たりして心が癒されています。
花屋さんで桃の花を見ると、あの時を思い出して涙がでます。
この花を見るたびにあの時の出来事、無気力に天井を見るだけの絶望感を思い出し、そしてそこから花によって凄く大きなもの、大切なものをいただけたな、と。
あの時、花は私に語りかけてくれました。
・「大丈夫だよ〜」という安心感
・「これから外にも出られるよ〜」という希望
花屋さんで桃の花を見ると、キョウコがあの時くれた花が今も売られています。
きっと誰かが桃の花を買って、毎日お世話をして、いろんな、私とはまた違った感情や想いを感じたり、勇気を桃の花から貰えるんだろうな、と想像するとこの3月の桃の花の時期は嬉しくなります。
そんな時、いつもキョウコを思い出します。
キョウコとはあの時、メールをやりとりしたきり、連絡を取っていません。
でも、彼女が私にあの花をくれたから、だから今の私がいます。
キョウコは今、何をしてるかなぁ。
お読み頂きありがとうございました。じゅんぺいです。
花言葉は、このように人の心を動かしたエピソードから決まってくるんですね。
従って今回、お話いただいた方の花言葉は、彼女のオリジナルですが、これもまた、正しいと思っています。
ただ、一般的な話も必要だと思いますので、桃の花言葉を紹介しますね。
桃の全般の花言葉
・私はあなたのとりこ
・チャーミング
・愛嬌
・女性の柔らかさ
・気立ての良さ
・天下無双
・長命
桃の花言葉(赤白ピンク色)
色の花言葉の違いは、複数の参考文献、サイトを確認しましたが見つけることは出来ませんでした。
桃の花言葉の意味
桃の花言葉の意味については、以前こちらの記事で考察したことがありますが、
桃の花言葉の意味は槇原敬之の「桃」で理解が深まる
今回のエピソードでも考えていきます。
・チャーミング
・愛嬌
については、桃の花の可愛らしさからですね。
・女性の柔らかさ
というのは、もちろん桃の実からも言えますが、花の色の柔らかい雰囲気から感じることが出来ます。
・私はあなたのとりこ
に関しては、説明不要で、彼女がいかにこの花を愛しているのかが伝わってくるかと思います。
・天下無双
・長命
に関しては、どんな逆境が訪れようとも、きっと大丈夫、と安心感を与える強さにあると思います。
事実として、こんな苦難を乗り越えたエピソードがあるのですから、これ以上の説得力はないでしょう。
生きる力を宿した花。
キョウコさんは、彼女に潜在的にこの花が向いている、と差し上げたくなったのかもしれませんね。
心理学においては、ユングの集合的無意識、という言葉があるように、他人同士はまるでテレパシーで繋がっているかの様な絆を感じる事があります。
人と花についても、こうした集合的無意識の繋がりがあるのかもしれませんね。
さいごに
今回は、桃の花言葉を脳出血で自分を見失ってしまった方のエピソードを通してご紹介しました。
紹介が遅れましたが、彼女は於月野きのこ(おつきの・きのこ)さんという、作家さんで、車椅子の生活をされながら、書籍執筆や翻訳、英会話など、ものすごく精力的に活動されています。
於月野きのこさんのブログはコチラになります。
於月野きのこのブログ
桃の花に神様がいるとするのなら、彼女はまさに桃の神に護られているのだと思います。
あなたも勇気付けたい大切な人に、桃の花を贈ってみてはどうでしょうか。
最後に桃の花の花言葉をもう一度記載いたします。
・私はあなたのとりこ
・チャーミング
・愛嬌
・女性の柔らかさ
・気立ての良さ
・天下無双
・長命
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
この記事へのコメントはありません。