椿には、「裏」花言葉なるものが存在し、とても怖いらしい・・・。そう言われています。
どうも、じゅんぺいです。
裏花言葉は、確かに都市伝説として存在するらしいです。
その由来となる話は、フランスのある小説から来ているようです。
それが、結構 「マジで!?」 という内容で、しかもかなり具体的な意味を持ちます。
今回は、椿の花言葉を 「裏」 も含めてご紹介し、その本当の意味を探っていきたいと思います。
キーワードは、「強烈な日本神話のある女神」ですね。
ちょっとした小話のネタになりますよ〜。
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椿の花言葉(赤白ピンク色)と由来
由来だとか、「裏」花言葉の前に、まず椿の花言葉をご紹介します。
「裏」前に「表」を知っておくことで、より裏の本当の意味を知ることができるので、読んでみてくださいね。
全般の花言葉は、「控えめな優しさ」 「誇り」です。
椿の花の形は、肉厚でずんぐりむっくりして、ライトなイメージとは程遠いですよね。
おしゃれでクール、スタイリッシュなイメージの西洋の花とは大違い。
でもね、花言葉の意味は本当に美しいです。「控えめな美しさ」「誇り」です。
内面勝負の日本人らしく、一歩引いた女性の姿を連想させます。
次に色別の花言葉です
赤の椿の花言葉

赤の椿の花言葉は、「謙虚な美徳」 「控えめな素晴らしさ」 「気取らない優美さ」となります。
控えめで気取らない優雅さ、というイメージで思い浮かんだのは日本料理です。
和食って漢字の通り「和」ですよね。海外の料理も含めて『和える』
それぞれの良いところを生かし、アレンジし、さらに良いものを作っていくのは日本人の得意とするところです。
何より日本料理は繊細な感覚を大事にします。
それは口に含んだ瞬間にわかる味、というよりは、飲み込んだ後に「ふわぁっ」と鼻を通っていく香り。
そうした繊細さが日本料理の良さであり、日本文化だと思うんですね。
赤の椿の花言葉に通じるものがあります。
白の椿の花言葉

白の椿の花言葉は、「完全なる美しさ」 「至上の愛らしさ」 「申し分のない魅力」 となります。
完全なる美しさ・・・。西洋的な表現をするのならば、全知全能のゼウスでしょうかね(女癖が悪いのは目を瞑ることにします(笑))
対する日本の神様と言えば、白山菊理姫。白の神様です。ジブリ映画の千と千尋でオシラサマとして登場します。
白色ってどのように作るのか知っていますか?
光の三原色というのがあるのですが、赤青緑の光を全て足し合わせると白色になるんです。
液晶モニタの色の配列って、RGB(赤緑青)ですよね。全部色を発色した時に白になるんですね。
何が言いたいのかというと、完全なる白の美しさとは、良いことも、悪いことも、いろんなものを混ぜこぜにして、それでも光り輝くから、白色なんですね。
裏切り、悲しみもあったとしても、それでも前を向いて頑張っていく。
それが白色の美しさなんですね。
ピンクの椿の花言葉

ピンクの椿の花言葉は、 「控えめな美」 「控えめな愛」 「慎み深い」ですね。日本でのピンクといえば、なでしこ色でしょう。

この桜色といった方がピンとくる人も多いかもしれません。昨今、外国人に日本女性の奥ゆかしさが人気と聞きます。
一歩引いた控えめな姿。けれでもその奥には強い意志を持っている。
なので慎み深く、奥ゆかしいんですね。
そんな控えめで愛される椿ですが、裏花言葉という都市伝説があります。
それが結構「えっ・・・?」という花言葉なんです。
椿の怖い裏花言葉と由来
椿の怖い裏花言葉は、
・犯罪を犯す女
です。この言葉だけを聞くと、例えば不倫とか、相手を陥れるようなドロドロした関係性を望む女性、というようなイメージになりますよね。
この由来と言われているのが、フランス小説の椿姫です。
都市伝説が都市伝説たる所以は、表面的な言葉を鵜呑みにして、正しく理解していないことにあります。
この椿姫の話を読んで、裏花言葉が、本当に「犯罪を犯す女」 なのか、ぜひ確かめてもらえたらと思います。
主人公の美しい女性、マルグリットはパリに住む高級娼婦でした。
(マルグリットのイメージ)
マルグリッドは、夜のパーティーのたびに椿を胸に挿していました。
そのためにいつしか彼女は、「椿姫」と呼ばれるようになります。
そんな彼女が贅沢三昧の生活を送っていた所、彼女の元にアルマンという若くて純粋な青年が現れます。
アルマンの正直な感情に戸惑いつつも、その誠実な愛に、マルグリットは心を開くようになります。
アルマンの求愛に心打たれ、彼女も彼を愛するようになります。
しかしマルグリッドは、素直に喜べる状況ではありませんでした。
実はマルグリッドは、肺の病気に掛かっており、残り数ヶ月の命だったのです。
弱りゆく自分の身体を少しでも華やかにするために彼女は胸に花を身につけたかった・・・。
本来、花は香りがするため、病気の肺には良くないのですが、唯一椿の花だけは無臭のために身につけられる花でした。
彼女は残された人生をアルマンと過ごす事に決めました。
娼婦と贅沢な生活を捨てて、郊外の田舎の村に住むことにしました。
そんな折、突然アルマンの父親が二人の家にやって来ます。
アルマンの父は、本当にアルマンの幸せを心から願っていました。
アルマンは由緒ある家系の出身、「元」とはいえ、娼婦と付き合うことは許されなかったのです。
マルグリッドはアルマンへの愛が深いために、深く悩み始めます。
結局マルグリットはアルマンと別れることを決意します。
アルマンはマルグリットが本心で裏切ったと思い込み激怒し、彼女に復讐をします。アルマンは、マルグリットの向けて、当てつけのように別の恋人を見せびらかしました。
しかしマルグリットは、気丈に振る舞いました。本当は病気でやつれきっていたのに・・・。
そのままマルグリッドは病気が悪化し、亡くなってしまいました。
彼女の死を知ったアルマンは、もうマルグリッドもいない、かつての二人の家を訪れます。
・犯罪を犯す女
という花言葉は上記の物語を知れば、恋人を思うゆえの純粋な行動によって、犯罪を犯す場合もありますよね。決して悪い意味ではありません。
愛するゆえの犯罪だったんですね。悲しい話です。
実はこの小説は作者のデュマ・フィスの実話が元になっています。
実在した高級娼婦はマリ・デュプレシスという名前で結核で亡くなったそうです。
それでも病人には贈らないのが常識
因みにですが椿は日本では状況によっては「不吉」とされるので贈らない方が良い場合もあります。
それが、病人に対してですね。
椿は花びらが根元部分で融合しており、1枚1枚花びらが落ちずにポトッと首が落ちる姿が切腹、斬首を連想され、武士階級に忌み嫌われていたからです。
病人に贈ってはいけないという風習は現在も残っているため、贈る際は注意が必要です。
それではここから、椿が愛されて誇りを持てる花だ、ということをお伝えしていきます。
どんどん時間をさかのぼって、紀元前の話までいきますよ^^
実は縁起が良く神聖な椿
日本では近年裏花言葉として、残念な印象になってしまった椿ですが、フランスでは小説が流行った頃は非常に人気の花でした。
最初は1739年、イギリスのロバート・Jピーター男爵によって大々的に紹介され一大ブームになりました。
フランス小説「椿姫」ヒットの後くらいの1888年1月1日、パリ中央市場でなんと12万本も売れたそうです。
海外でも人気の椿ですが、もともと椿は邪悪なものを祓う力があるとされいました。
・奈良東大寺には、758年孝謙天皇が破邪の儀式にて使った椿製の杖がある
・渤海国(ぼっかいこく。北朝鮮付近の国)に777年に椿油を贈った
・源氏物語にも登場
・破邪の儀式は現在も各地の神社で神事として伝えられている
だんだん時代をさかのぼって来ましたね。最後に紀元前までさかのぼります。
冒頭で「強烈な日本神話のある女神」、という話を出しましたが、それが日本神話で登場するアメノウズメ神のことですね。
アメノウズメは、椿大神社(つばきおおかみやしろ)の別宮、椿岸神社に祀られている神様です。
ネットを見る限りは アメノウズメ=椿姫 と解釈する人は見受けられませんが、個人的な解釈なのでご容赦を。
アメノウズメが何をした神様なのかというと、ストリップダンスですね。
「また娼婦かいっ!」
と思うかもしれませんが、とても重要な役割を演じた神ですのでもう少し読んでもらえたらと思います。
その昔、太陽神アマテラスが、弟スサノオの乱暴さゆえに岩の戸に隠れてしまいました。
太陽神が隠れてしまったので地上に光が渡らずに暗黒の世界になってしまいました。
なんとかアマテラスを外に出そうと計画した八百万の神々、その中で最も活躍したのが、アメノウズメです。
何をやっても外に出ようとしないアマテラスを、神懸かったストリップダンスを行い、注意を引きます。
どんな踊り、どんな姿だったのか、古事記を読んでみましょう。
(アメノウズメが)中がうつろな台を設け、そこに登って足拍子おもしろく、音のとどろくばかり踊った。
その踊りの様は、神が乗り移ったかと見えるばかりで、踊り狂ううちに胸乳もあらわになり、腰に結んだ裳諸(もひも)を下腹のあたりまで押し下げる勢いだった。
この神懸りの踊りのおもしろさに、高天原が揺れ動くまでに、集まった八百万の神々が声を合わせて笑った。
現代語訳 古事記 福永武彦
要するに、岩戸の前でアメノウズメはタライでステージを作り、はだけるような服装で踊りました。
踊りながら胸があらわになり、チラチラと見えたんですね(笑)
その姿に神々が大喜び。
少し岩戸をずらして様子を見に来たアマテラスにアメノウズメが答えます。
すかさず鏡を見せます。
・・・その姿は鏡に映った自分なのですが、動揺して岩戸からひょっこり出て来た時に、そのままアマテラスをおびき出しました。
エロティックダンスで場を盛り上げて世界を救ったのがアメノウズメです。
アメノウズメのエピソードは他にもあります。
アマテラスの孫のニニギが天孫降臨する(地上界に降り立つ)時、その先に12mの巨体を持つ恐ろしい顔をしたサルタヒコという神が仁王立ちしていました。
あまりの恐ろしさに、誰も声を掛けられなかったのですが、
その言葉でアメノウズメが切り込んでいきます。
12メートルの巨漢の恐ろしい神に、きゃしゃな女神が言い寄ったのですが、またしても神懸かった行動をとったアメノウズメ。
まさかの場面でポロリ・・。今度は日本書紀を見てみましょう。
天鈿女はそこで、自分の胸を露わにむき出して、腰ひもを臍(へそ)の下まで押しさげ、あざ笑って向かい立った。
このとき街(ちまた)の神が問われていうのに、「天鈿女よ、あなたがこんな風にされるのは何故ですか」と。
答えていわれるのに、「天照大神の御子がおいでになる道に、このようにいるのは一体誰なのか、あえて問う」と。
全現代語訳 日本書紀 宇治谷 孟
自分のおっぱいをポロリと出して、あざ笑いながら切り込んだんですね(笑)
アメノウズメは、芸能の神と言われ、誰もできないような大役を「演じ」ました。
それが本来の性格なのかはわかりませんが、自分の恥ずかしさは一旦置いておいて、世界が良くなるなら、と為すべき役割を全うしました。
これが日本版元祖の椿姫です。
「最初の椿の花言葉の印象と随分違う・・・」
そう思う人もいるかもしれませんが、見た目の美しさ、可憐さよりも、内面の美しさの方が遥かに美しいと思います。
パンクバンドのTHE BLUE HEARTSの「リンダリンダ」という曲でも、
「ドブネズミみたいに、美しくなりたい」
という表現がありますが、泥だらけになりながらも誰かのために必死にやる姿こそが、本当の美しさなのではないでしょうか。
フランス版でも、日本版でも、椿姫は自分の評価よりも相手の幸せを願って行動しました。
そうした思いを踏まえた上での裏花言葉だった、そう考えると、より深い理解ができそうですね。
最後に
今回は、椿の花言葉の解説をしました。
全般の花言葉
・控えめな優しさ
・誇り
赤の椿の花言葉:
・謙虚な美徳
・控えめな素晴らしさ
・気取らない優美さ
白の椿の花言葉:
・完全なる美しさ
・至上の愛らしさ
・申し分のない魅力
ピンクの椿の花言葉:
・控えめな美
・控えめな愛
・慎み深い
椿の裏花言葉は「犯罪を犯す女」。
ただフランス版も日本版も椿姫は自分の評価よりも相手の幸せを願って行動したという意味です。
病人にはくれぐれも椿を贈らないように気をつけましょうね^^
日本神話は以下のブログに結構書いています。
良かったら以下のブログも見てもらえたら、と思います。
椿大神社のご利益とお守り、恋を叶える!
参考文献
花の神話 秦寛博著
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